〜2001.12.8 大阪・南船場 我楽茶堂にて〜



やわらかい壁の色、木のあたたかみのある店内。
棚やテーブルのあちこちにかわいらしいアジア雑貨が飾られています。
オープニングの曲はボブ・マーリーの『IS THIS LOVE』。
後ろから水下氏が本を片手にふらりとご登場、記念すべき大阪初のひとりかいがはじまりました。

「こんばんは。
大阪までやってきてしまいました。」

カウンター手前のステージ、スツールに腰掛けた姿は珍しくスーツ姿。
なんでも花組さんに衣装協力してくださっている「FrenchConnection」さんから頂いたのだとか。
細身の襟のすっきりしたグレイのスーツに落ち着いたオレンジ色のタートルセーター。

今宵の水下氏は、かなりダンディです。

はじまりのおはなしは 「はひふぺぽ」。谷川俊太郎さんの作品です。
はひふ という少年と、妹のぺぽ。けれど妹の姿は誰にも見えません。
すこし悲しくて、胸の奥にきゅっとなにかが残るおはなしです。


そのあとはトーク、詩の朗読、お客様からのリクエストと続きます。
ここでお客様はティータイム。
最近はとにかく詩がおもしろいそうで、同じ詩を楽しいとき、怒っているとき、悲しいとき、
それぞれの気分にあわせて読むとまったく違った表情がでてくるのだとか。

リクエストでは歌詞をお持ちになった方が多く、スガシカオの歌詞集等を朗読。
自分の気に入ったものを水下氏の声できくのもまたいいものです。

それから弾丸列車のおやじぃでお馴染みの「おやじのエレジー」をなんとアカペラで熱唱っ!
本人いわく「有線大賞、狙います。」 どこまで本気でしょうか?
これ、ホントはハゲヅラにステテコハラマキ姿で登場なのですが、スーツで歌う姿は おやじぃとは趣が違ってなかなかに素敵でした。決してこのイメージで弾丸列車に ご乗車なさいませんように・・・・。 まったくの別物です。

もりだくさんのメニューはまだまだ続きます。
朗読はON-DOKUで披露した同じく谷川氏の「女(あなた)に」を全編。
ひとりの女性に出会う前、出会ってから、そしとて共に暮らした日々がつづられています。
作品をご存知の方も多いかもしれませんが、字で読むのと音で聴くのでは雰囲気がかなり違います。 これぞ読み聞かせの味わいですよ。

そして夜の部ではさらにサービスで(ケーキプランの方ごめんなさい)ちょっとシュールな小作品を2つ。南アフリカの作家さんの作品だそうです。


皆様からのアンケート、熱心に読んでいます。
                            カメラマンMEEZ(?)


お客様の食事が終わった頃、すーっと照明が落とされてほの暗くなりました。
キャンドルタイムです。
水下氏がテーブルをひとつずつまわり、順に灯りをともしていきます。
街はクリスマスの電飾で賑やかですが、我楽茶堂の空間だけはゆらゆらとゆれる柔らかな灯りに照らし出されて、とても優しい雰囲気が満ちていました。

そして今宵さいごのおはなし 「よだかの星」。宮澤賢治の作品です。
「よだかの星」は下北沢でひとりかいを始めたときにも読まれ、水下氏の思い入れも深く、今回の初の大阪ひとりかいでもぜひこれをと選んだのだそうです。

姿は悪くとも優しいよだか。その姿ゆえに周りに疎まれ、彼は懐かしい森を去ってゆきます。
きしきしきしーっと鳴く、悲しく響くよだかの声。 おはなしにひきこまれて思わず はらはらと涙がこぼれました。

   「これが よだかをみたさいごになりました。」 

最後のひとことを合図に照明が全て落とされ、あとはキャンドルの灯りだけ。
そして、店いっぱいに流れるジョンレノンの「イマジン」。

くしくもこの日はジョンレノンの命日でした。


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