〜2003.11.29-30 大阪・上本町 亜風にて〜

11/29 (sat).
和とアジアンテイストが融合した不思議な空間、亜風。
大阪ひとりかいの会場となる2階には座敷もあって、古い水屋・階段箪笥や丸い竹網の明かりが、何とも素敵な雰囲気。
そのフロアを客席に埋め尽くすように並べられた椅子・イス・いす。
ひとりかいの盛況さを物語っているようですわ。(満員御礼、感謝感謝。)
土曜日はフロアを客席に、座敷側を舞台にして始まりました。
武蔵屋丈ご登場に、一瞬の静寂。・・お客様、緊張してはるんやろか?

「タバコ屋の角を右に曲がって下さい・・・。」
「まず、くつろいで。靴脱いで・・・。」

招き入れ、呼びかけるようにして谷川俊太郎詩集「空に小鳥がいなくなった日」から「ここ」と「道順」の2作。
よく通るいい声についうっとり。自然にお客様の緊張もほぐれてきたかな?

「三度大阪にやってまいりました」
約1年半ぶりの大阪ひとりかいです。
この秋は色々と「芸術の秋」三昧してはったようで、最近見た柳家花禄師匠の高座から、犬の気持ちで語られる「愛犬チャッピー」という面白い噺を紹介してくれはりました。
これは春風亭昇太さんの新作とか。落ちが今風で笑えるので機会のある方は是非。
まずは佐野洋子さんの「わたし いる」から「しみ」。
ちいさな女の子のある夜の情景が短い言葉で綴られた作品。現実と夢が途切れずに繋がっている、懐かしいような不思議に満ちた子供の世界。ちっこかった自分もこんな事考えてたよなぁ。
もういっこ、佐野作品から「絵だもん」。
じろうちゃんという男の子が描くお絵描きの話です。子供らしい明るくて突飛な残酷さが妙におかしくて、読んではる武蔵屋丈もつい笑ってしまいはりました。
大人になっても子供の気持ちを書ける佐野さんて凄いやね。
続いてミヒャエル・エンデ「鏡の中の鏡」から一作。
怖い夢を見た時のような、かなりシュールなお話でした。これは何とも表現しがたいお話なので、是非読んでみて下さい。
そして、来年の「狂風記」の話題。共演者の市原悦子さんのリラックス法は、録画したマラソン中継番組を夜中にぼーっと見る事らしいっすわ。へぇ〜!!
そのあと舞踏家・田中泯(みん)さんの公演の話題から、いつしか「誰にでも出来る舞踏」講座に。(笑)その場で舞踏を踊りだす武蔵屋丈。
覚えて忘年会の隠し芸にどうぞ・・・って、できるかいな〜!!
前半最後の作品は、阿刀田高「正直なライター」。
女が語る、恋の顛末。ブラックな感じに終わるので、ここでは詳しくは…。いゃあ、すんませんな。
ほな、ここでちょっと休憩。
ささ、お酒・ソフトドリンク、呑みなはれー。



さて後半。ちょっと素敵な音楽がかかってます。
武蔵屋丈が歌を口ずさみながら、お客様一人一人に今日の記念として栞を手渡していきます。(お客様、喜んで下さったやろか?ドキドキ)
この歌、実はあの「仇討」の曲なんです。ドラマティックカンパニーさんから発売になるそうですが、これはサントラ版ではなくて特別に作ってもらった音楽だけのCDだとか。素敵なかっちょええ曲がいっぱいで、ちょっと欲しくなってしまいました。

「贅沢にもね、『仇討』の音楽、(ヒトヨシ)ノビタさんに全部作ってもらったんですよ。」とにっこり笑う武蔵屋丈。

そしてそして、その中から作詞をご自身で手がけたという歌をご披露下さいました。これなかなか聞けないっすよ、ほんま。大・大・大サービスですわ、大阪スペシャル。よっ、武蔵屋!!
音楽とともにしばし「仇討」のお話を。めっちゃ面白くかつ泣ける芝居と聞いてたので、大阪公演がなかったのが、本当に残念です。
来年の「いろは四谷怪談」でもノビタさんが音楽を作って下さる(おぉ〜っ!!)という事もチラッとお話して下さって、それから来年のご予定を少し。
武蔵屋帝国インタビューで伺ったように、来年は宮沢賢治をテーマにした物を演りたいとおっしゃってました。他にも演りたい事がぎょうさんありはるようで、来年も武蔵屋丈から目が離せませんな。
トークの後は、詩を数編。谷川俊太郎「minimal」「よしなしうた」から。「よしなしうた」は2回目の大阪ひとりかいで日本語&英語で読まれていた物ですが、この英語の朗読に協力して下さった方が今年亡くなられたそうです。残された彼女の声が入ったMDを旦那様に差し上げたという話を聞き、何だかとても切なくなりました。

「いつか皆死んじゃうんだからさ、楽しく生きていきましょうよ。」
・・・俺みたいにね、ですか?水下さん。
そして宮沢賢治の作品から「水仙月の四日」。雪を降らせる雪童子(ゆきわらし)と男の子の物語。
目の前に真っ白な雪原が今にも広がっていくような賢治独特の情景の表現が美しいお話です。これからどんどん寒くなりますが、大阪にもう雪が積もる事はないんやろなぁ。

最後は谷川さんの詩集から表題の「空に小鳥がいなくなった日」「じゃあね」。
顔を上げ、にこやかに手を振って

「じゃあね。」

素敵な時間を下さった武蔵屋丈に温かい拍手が会場からわきあがりました。
その後は、お時間のある皆さんとお座敷でツマミ・お酒を頂きながら、武蔵屋丈と歓談タイム。
さてどんな話題だったんでしょうか?
1時間足らずの短い間でしたか、座がめっちゃ盛り上がってましたねぇ。
夜が更けても冷たい雨は降り続いてましたが、きっと気持ちはほっこりぬくぬくと暖かくなって頂けた事と思います。

お越し下さった皆々様、今宵はいい夢を見て下さいましね。

(30日のレポに続く)



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