帝:ずばり。和宮って本者だと思いますか?偽者だと思いますか?
水:偽者だったんじゃないの?
帝:若狭守は本者だと信じていたんだろうか?
水:どうでもよかったんじゃないのかな。
帝:取りあえず「和宮」って呼ばれる人間ならいいと?
水:輿入れすればいいんだから。途中で(偽者だと)知れたとしても、和宮っていうことで公武合体が
出来ればいいわけですよ。開国派だったんじゃないかな。彼は。
帝:好きなタイプですか?
水:いんじゃない?頭良いしね。嫌いじゃないタイプですね。
帝:自分の役を調べたりするんですか?
水:あんまり調べないけど、今回は調べてみた。
帝:ネットで?
水:そう。若狭守って(インプットして)、あ、出てこないな。京都所司代って入れてみたりしてさ。
帝:若狭守は今の水下さんくらいの年齢なんですか?
水:もちょっと若いかな?
帝:若狭守はどんな藩政をしいていたんですか?
水:京都に居たからねえ。明治まで生きて、最後は名前変えてるんだよね。取り潰しにあったわけでもなさそうだし、
機を見るに敏ってタイプだったみたいですよ。
帝:有吉作品で何かお読みになった作品は?
水:中学の頃に『複合汚染』かな。あれはね、リアルタイムで公害問題が身近にあった頃だからね。
帝:ほー。
水:だめじゃんそれじゃ、ってね。
帝:だめじゃん、なんだ。
水:社会における人間の命は小さいんだなー、って思うよね。翻弄されちゃうっていうか、あってはいけないことなんだけどねえ。
帝:若狭守もそういうところはある?
水:時代だからねえ。1人2人死んじゃうのは仕方ないっていう考えはあるんじゃないの?
岩倉だって重五郎殺しちゃうんだから。
帝:水下きよしが政界に打って出たらどうなってましたかねえ?
水:今頃は捕まってるね。
帝:捕まっちゃうのかーっ。
水:賄賂いっぱい貰ってからね。
帝:うわー。
水:政治は嫌いじゃないよ、経済とかね。政治家になる気はないけどねえ。
帝:お侍の役多いですね。
水:まあね。
帝:やりにくい役・やりやすい役ってありますか?
水:やりやすいもやりにくいも一緒だよ。実際を知らないもの。現代劇もそうだけど、ホンに書かれてるんだから、
それが出来なきゃいけないんだよ。そこに殿様って書いてあれば殿様をやるし。浪人だって書いてあれば浪人をするんだよ。
帝:お客から見て、ああ、殿様だって見えればいい?
水:難しいですけどねえ。勉強させて頂いております。がんばりたいわっ。
帝:水下きよしで良かったなーって思っていただけるように?
水:また使いたいと思ってもらえるようにね。
帝:和宮で台詞が抜けちゃったことはありますか?
水:若狭守で?ないな。まあ台詞が飛んじゃっても言いたい気持ちは分かるからさ。言い換えることは出来ると思う。
冷静になれないと駄目だね。バーッと頭が熱くなっちゃってると、ああ、駄目だっ。てなるけど。
芝居に集中するのは大事なんだけどね。だから芝居に入る前に、ずーっと静かに集中する人もいるし。
ワーッて馬鹿騒ぎして自分のテンション上げて、スッと舞台に行く人もいるわけじゃない。
帝:水下さんは?
水:俺は(芝居前に)あんまりエネルギー使わない方がいいみたい。騒ぐと疲れちゃうんだな。
1回ね、原川と誓と騒いでたんだよ。で、自分の出番になるじゃない。そしたら「あら?すごい疲れてる」ってなっちゃった。
帝:ははははは。
水:自分の出番前にすでに疲れちゃってるよ、駄目じゃん、って。自分の体力を温存するっていうことは大事ですね。
帝:原川さんに近づいちゃいけないんだ(笑)。
水:あいつらはそうやって自分のテンションを持ち上げていくから、あいつらが勝手に騒ぐのはいいんだよ。
帝:ははははは。
水:でも、俺がワーッて騒ごうとしても「あ、俺今駄目」って居なくなっちゃう。
帝:あーずるい。
水:うまいんだから、あいつらは。
帝:だめじゃないですか、翻弄されてちゃ。
水:そ。もうだめじゃん、って勉強したの。
帝:松村さんてかっこいいですか?
水:かーっこいいよー。声もいいしねー。さわやかでねー。
帝:あら。素敵。水下さんがいいなーって思う声の人?
水:響くんだよ。志賀さんみたいな低音じゃないんだけど。なんていうのかな?聞きやすいっていうのかな?
帝:へー。
水:重五郎って感じですよ。
帝:若くてりりしくて?
水:そう。未来の話をしてても、てらいがないんだよ。ちゃんと言えちゃうんだよね。無理がないっていうのかな。
帝:正面きって聞くと照れくさい台詞も松村さんが言うと素敵に聞こえる?
水:ちゃんと言えてるからね。
帝:照れくさい台詞って言いづらいですか?
水:いや、照れくさい台詞こそ、かっこよく、ちゃんと言うんだよ。
ほーらほーら歯が浮くだろーってくらいにやっちゃっていいんだよ。
帝:なるほど。
水:かっこいい台詞はかっこよく言わなくちゃ。普段は言えないことでも台詞だから言えるんだから。
日常では、なーに言ってんだかっていうのも、舞台で聞いたら素敵に聞こえるのが大事なんだよね。
帝:今回、花組芝居で演じた役と同じ役で呼ばれるっていうのはどうですか?
水:いや、別に。呼ばれたからにはちゃんとやろう、前より良くしたいとは思うよ。1回やってる分だけね。
でも相手が違うし。水下にやらせてよかったじゃんってことになればいいんじゃない?負けないっていうか、相対としてね。
あ、あーあ(残念そうに)って言われないようにしないとね。
だからってあんまり気負ったりしても仕方ないけど。そのためには稽古して、力を抜いて、ちゃんと立ってるようにしたいですね。
帝:いろんなところに出ていかれるのは、嬉しいような寂しいような。
水:いえ、いえ。
帝:本公演には戻ってきて下さいよーっ。
水:本公演は大事なところです。
帝:プレタポルテのお稽古は?
水:(和宮)千秋楽の日から始まるんですよ。
帝:あら、大変ですね。
水:んー。俺、間に合うか?って思うんだけど。さみしいじゃない、稽古初日に居られないのは。
やっぱり稽古初日は読み合わせして、飲まないとね。
帝:飲むのかーっ。いってらっさいませー。(プレタポルテ)これは水下きよしがいいと。指定で依頼が?
水:そーそー。
帝:おお、もてもてでございますな、殿。
水:ははは。まあ、制作の方とかの話し合いでね。水下はいけるんじゃないかとおっしゃっていただいて。
これも女の子の話で、それに男が絡んでいくんですけどね。
帝:ほー。
水:チラシの写真もとりましたし。