帝国:(以下帝):おお、髪が短くなっている。鬘をかぶりやすいからですか?
水下:(以下水):羽二重巻きつけやすいからね。楽なんですよ、短い方が。(羽二重が)浮かないしね。
「チェンジングルーム」を観に行ったときに、演出の板垣さん(「ドアをあけると・・・」の演出家)もいらっしゃってたんで、
「(髪を)短くしてもいいですか?」って聞いてOKを頂いたのでね。
帝:どんなお芝居なんですか?
水:「チェンジングルーム」?ラグビーの試合前・ハーフタイム・試合後のロッカールームの中だけで展開していく話です。
イギリスの労働階級のクラブチームの話で、言葉が野卑な階級のものなんだっていうのが日本語では、なかなか出せないから難しいかな。
試合前のロッカールームで軽口叩き合って、試合に入っていくっていうテンションをずーっと上げていって、ハーフタイムになって、
すごい興奮してる奴らが(ロッカールームに)戻って来て、試合の後半には誰か怪我してロッカールームに引っ込んだところでいろいろ
話をするんだけど、その話には人生とか家族抱えてとかいろいろ(試合以外のことが)出てくるんだよ。で、新しい奴と交代して、
最後試合に勝って、また(ロッカールームに)戻って来て、試合の興奮とか熱が少しずつ醒めていってっていう話。
帝:試合に勝つんですか?相手チームはどんなチームなんですか?
水:相手チームは出てこないけど、富裕階級のチームなんだろうね。
帝:その対比は出てこないんですか?
水:出てこない。ロッカーの中だけの話だから。
帝:懐かしかったですか?
水:ああ、懐かしかったっていうか、試合に向かう前のテンションとか、向かっていく興奮とかが出ないとね。
20何人だったかな?全部男性だけの話なんですよ。でも今回のは女性も出てましたけど。ああ、お芝居は難しいなあ。
帝:改めて、お疲れ様です。如何ですか?和宮のお稽古現場は!
水:面白いですよ、台詞劇だからね。小川さんがすごい素敵でね。
帝:わー。(どきどき)
水:場面的に、小川さんの場面に挟まれた感じなんで。小川さんが終わった後に俺が出ていって、次に小川さんの場面なんで、 小川さんをずーっと観てたりして。
帝:観られてるんですか?
水:小川さんは、良いですよ、やっぱりねえ。ちゃんと本(原作)を読んでらっしゃるし、
相手役に、「ここでこう変えた方がいいんじゃないか?」って教えてくれるんだよ。で、それが的確だからすごい。
帝:小川さんはご自身で演出はなさらないんですか?
水:小川さんは、だって、女優さんだもの。
帝:そうですかあ。憧れの女ねずみ!
水:あー。俺は見てなかったんだけどね。素敵よううう(語尾上げで読んで下さい。)
帝:先輩と一緒にやるって愉しいですか?
水:愉しいっていうか、良いんだよ、もう。たとえば安井さんと高橋さんの夫婦とか。
実際の重ねた年齢がちゃんと出るんだよね。無理がないっていうかさ。
帝:先輩から貰えるものたくさん。例えば?
水:うーん。加納にいつも言われてること。ああ、やっぱりそういうことなんだな、って再認識するっていうのかな。
先輩はそれが出来てるっていうのは口幅ったいけど。ああ、これがいつも言われてることなんだなー、って思いますよ。
「相手の台詞を『聞いて』」、それにリアクションするために体が動いて、言葉が出ていくっていうことなんだけど。それを無理しないでやり、
なおかつ居るってことなんだなー、って思いますよね。
現代語でも、時代言葉でも同じ。だと思います。言葉が出て来るっていうのは、「相手の言葉を聞いてるか」だからね。
聞いてないと対処出来ないじゃない。どう聞くかっていうのもすごい大事なんだよ。びっくりするようなことを聞かされたら、
息がとまったり、体も反応するでしょ。声だけびっくりしないでしょ。
帝:先輩の威圧感ってあるんですか?
水:ないよーっ。ぜんぜん。おれが鈍感だから感じないのかもしれないけど。
帝:立ち稽古ですでに花組芝居連はホンを持たずにやってましたってありましたね。
水:いや、入ってましたよ、他の方も。入ってない部分があってもなるべくホンは見ないようにしてたし、
立ち稽古初日からみんなホンを外せる意識は高いよね。
帝:なんだか女だらけですよねえ。
水:女の話だもん。
帝:男子の結束はあるのか?
水:ナイナイ。
帝:ないのかー。
水:基本的には時代に翻弄された「女の話」だからね。
花組芝居でやったときは(役者が)若いじゃない。それはそれで面白いけど、今回は役者が実際の年齢か、
上ぐらいの人が演じるっていう楽しさがあって深いよね。厚みが出るしね。
だから、小川さんも自分の現場をちゃんとやるために、若い人にいろいろ言ってくれるけど、
そういうのをうるさいな、って思っちゃったら損だよね。
帝:ホンは変更あるんですか?
水:基本的には変わってないです。付け足しがちょっとあるけど。その分だけ解りやすくなったかな?
帝:ゴクネコの重左衛門とお殿様の扮装って似てる気がするんですけど、bQとトップの差ってなんですか?
水:ないですそんなの。だって設定でbQって書いてあるし、黒幕ってなってるんだから、そう見えればいいだけですよ。
帝:若狭守は本公演と同じですか?(場面が)増えたりしないんですか?
水:同じ同じ。1幕だけ。あ、早く帰ってもいいのか?って。
帝:おいおい。1幕だけなんですか?衣装替えはないんですか?
水:ないです。
帝:上田さんの爺はどうですか?
水:愉しいよー。おちゃめでかわいらしい爺です。
帝:ギャグの打ち合わせとかコネタの仕込みはするんですか?。
水:いいいいいいえっ。ちゃんと芝居してますよ。2人しか居ない場面だし、(舞台が)広いからね。細かいことやっても観えないんだよ。
だから、そんな細かいことどうこうよりも、ちゃんと2人で空間埋めないとね。
帝:埋まってますか?
水:埋まるでしょ。
帝:広さが変わると気分は変わりますか?
水:うーん。やっぱり大きくやろうっ、大きくっていうか、そうだねえ・・・。
帝:例えば、アプルだったら2歩歩くところ、演舞場では5歩歩くとか?
水:演技エリアとしては逆に(演舞場のほうが)狭いんだけどね。舞台が大きいから、3歩でやれたことを5歩にしないとっていう動きの量は違うけど。
帝:演舞場って横に広いですよね。そういうのってやりにくいですか?
水:うーん?そう?ああ、(舞台が)長いな、って思うことはあるけど。自分が居なければいけない場所、酒井家当主として
居る場所っていうのはそんなに広いわけじゃないからやりにくいっていうのはないですよ。全体の空間の広さを把握するのは大事なんだと思うけど、
真ん中でポツンって居てもそこに収まっているならいいんだって思いますからね。