酔いもせず見し浅き夢
いろは四谷怪談終わっちゃったインタビュー



帝国 : お疲れ様でした。

水下 : お疲れ様でした。

今日はお稽古だったんですか?

星犬(星守る犬)のね。午後は事務所で鉄塔(その鉄塔に男たちはいる)の準備。

おお、働き者! (帽子を脱ぐ。少し髪が短くなっている。)

あ、髪型が変わっている。

暑いからねー。(髪が)長い人はいっぱいいるし、加納さんとか、山下さんとか。

早速ですが。四谷はいい役(伊右衛門)でしたね。素敵でしたね(嬉)。

いえいえ。ありがとうございます。楽しんで頂ければ何よりです。

水下ファンはもうねぇ、観に行った甲斐がありました。(伊右衛門が)出てきた瞬間に「きゃーっ、やったーっ」でした。 でも配役は事前に新聞に掲載されていましたね。

まあね。新聞には多少ね。

新聞によっては「歌舞伎のパロディを目指す劇団」とあって違和感のある記事でしたが。 デイリー読売(英字新聞)はご覧になりましたか?

うん。(橘)義にちょっと訳してもらったよ。伊右衛門はみんながやりたがらない役だろうって。

なぜ?

遊びが無い役だから(ってことらしい)。ああ、そういう風にみえるんだなって思ったけど。

確か、歌については厳しい意見でしたね。

ああ、音(音程)をちゃんと捕まえてないとってね。

今回の四谷は花組芝居初心者には難しい舞台だった気がするんですが。台詞とか、難しい部分が多かったですから。
加納さんがどちらかで「南北の台詞にこだわったからあの台詞回しなんだ」とおっしゃってましたが 言葉を知らないこともあって、(例えば)困ってるらしいとか、怒ってるらしい・・とは理解できても細かいところは判らない。

歌に台詞が入ってるので歌が聞き取れないと半分以上台詞が聞こえないのと一緒で芝居が判らない。それがちょっともったいないなぁと。

今回の東京での劇場は最初の3列目辺りまでは音響の(聞こえの)具合が難しくて調整を繰り返しました。
逆に大阪は聞きやすかったでしょ?

そうですね。大阪は(音響面が)良かったですよね。
初めて花組を観る人を連れて行って、観劇後「どこが印象的だった?」って聞いたら小平殺しと(お岩の格好した)秋葉さんが引っかかる所って言ってました(笑)。
音響のせいか歌があんまり聞き取れなくて、話の筋もどの辺りまで判ってるかなーと不安だったのですが、理解できる範囲で楽しんでいたようでした。
修学旅行で観劇(注:東京公演)に来た中学生も、観て喜んでたから言葉だけじゃなくて舞台の気迫とかもあったんでしょうね。

中学生は、観てて色合い的に綺麗だから喜んでたんじゃない?
いろいろ反省点はありました。まあ、小屋の問題もあるんですけど。

座る席によっては問題無い人もいたようなので、すごくもったいなかったなあって思いました。
今回その苦情ありましたか?

すごく多かった。たくさんありました。

アンケートでも?

概ね「歌が判りにくかった」でした(苦笑)。

・・・はあ。 私は、今回スピーカーに近い席で観たのでそれほど「聞こえないっ!」て思いはしないで済んだのですが、ただ、自分の語彙が足らなくて聞こえても意味が捉えられない言葉があって、家で台本読み返して「ああ、こういう言葉だったんだ」って解かってすごく悔しかった。もう少し(観劇中に)理解できていたらなーと。

いや、それはしょうがないよ、言い回しだから。それを(判りやすく)変えちゃったら加納の、花組の芝居じゃなくなっちゃうからさ。
古語と現代語なんて外国語みたいな差があるんだから。噛み砕いてリズムを変えちゃったら話が違っちゃうんだから。

細かいとこで判らなくても楽しかったって思えてるならいいってことですか?

(全部は)判んないって。例えば判りやすく言ってもその単語自体を知らないわけでしょ。
俺は加納と二十年近く一緒にやってきてるから判るところもあるし。まあ、書き換えてもいいんじゃない?って思うこともあるけれども、書き換えちゃったら加納の芝居じゃなくなっちゃう。やっぱ、だめなんだよ。判んないけど面白いなって思っててある時、「あっ」と理解できたときに面白さが増えればいんだよ。
まぁ加納が今やってることを観客全員が判るってこと自体が無理なんだけどさ。
ただ、その「判れ」って言われても普通は判らないんだってことが(彼には)判らないから素敵なんだけどね、加納は(笑)。
自分は判ってるからさ、天才は凡才が「理解出来ない」と言うことが判らないんだよ。
俺は、加納が「他人が理解できない」ということを理解できないってことを知ってるから、加納の考えをどうやったら伝わるかなーって考えながらやるんだけど。

でも、加納さんが凡才の気持ちを理解出来たらつまんないんだろうなあ(笑)。

そうそう、そうなんだよ。

前世紀版と今世紀版。つい比較しちゃうとか。前はこうだったんだけどなーとか、思い出すことはありましたか?

 いや、「ああこの場面がこう変わったのか」と、やりながら思うとこはあったけども、演出は全然違うから「前はこうだったのに」ってのはなかったなあ。
まあ馴染みやすいってことでは前のほうが馴染みやすかったかな?

うーん、そうかもしれない。今回の方がマニアックな感じがしますね。 大詰の場面は「花組芝居の客でよかったぜーっ!」て思える瞬間でした。演ってるご本人は観ることができないので残念でしたね。

まあ、ねえ。綺麗だろうなーって思ったよ。でもすごいよね、みんなお岩さんにしちゃうって考え方がねっ。

あの場面大阪では笑いが起きたとか。関西の感覚だと、同じ顔がたくさん並ぶのっておかしいんでしょうかね、やっぱり。

(普通でも)面白いもん。 雪は日本人にとってはいい要因だよね。雪が降るだけでいい芝居になってしまうっていう気がする。

でも今まで花組芝居ではあのような(大詰に雪が降って終わる)演出って無かったですよね?

今までは嫌だったんじゃないのかな?桜は降ったりしたけどさ。

ダブルミーニングって言うか、入れ子構造の(お岩の亡霊であり、四十七士、また伊右衛門であり、師直であるという二重構造)大詰ですよね。何々であり、かつ何である、という。
 ところで、「仮にも天下の執事職」って叩かれる場面はご自分では吉良様なんですか?

伊右衛門だよ。

伊右衛門ですか?

伊右衛門です。

八代さんに采配で叩かれて、きっと睨み付けるのはご自分で考えて?

考えてっていうか、自然になっちゃったの。
 楽屋に来てくれたお客さんが、すごく(舞台に)圧倒されてたんだよね。
訳わかんなかったとしても客席を圧倒させることが出来たかなって。舞台の持てる力を示せたなって思えたかな。
デザイナーとか音楽家とか「うわ、変なもの観たなー、お前らここまでやっちまうのかっ。ここまでやっちまうんだったら許してやる。」て言う感じで(楽屋に)来てくれるのが嬉しかったな。

今回の伊右衛門は水下さんの中にある人格の一つの様な感じがしましたが。

うん、楽っちゃ楽でしたよ。しゃべらないこと、何にもやらないことも含めてね。 今回はやる前から言われてたの、伊右衛門だよって。で、書いてくれるなら悪い男にしてくれって言った。
だから今回の伊右衛門は悪い人でってことだったんだけど、自分の中ではもっともっと悪い人でもよかったかなという気もする。救いようのない悪人。  (歌舞伎では)公金横領してて、お岩さんの親も殺してるしね。

(伊右衛門役への)抵抗は感じなかったんじゃないですか? 

いや、どんな役でも抵抗はないですよ。でも、ここの場は優しすぎるかなーってことはあったかな?

どの辺りが?

俺が難しいなって思ったのは、喜兵衛と会ってそれでお岩と離縁してくれって言われて「だめだ」って断る所でね、自分なりには設定してたんだけど、もっといい加減でいいんじゃないかなーって。
最初に断ることがね、もっともっと積極的に悪で良かったかなと思ったんだけど。
それが出し切れなかったか、やりきれなかったのか判らないけどね。

もっと悪い男でもよかったと。

うん全然。どっかで「人間は悪いもんだ」と思ってるから。偽善はいいことだと思っているので。

伊右衛門はお梅とのことを受け入れた後、一気に殻が破れて悪に目覚めますよね。

目覚めるって言うか、そこで吹っ切れて様子ががらっと変わる必要があるから。そこのためには前半があるのかなーと思うけど、(最初から)もっと救いようの無い悪い人でもいいのかなって。

もう、自分にさえ条件がよければ即そっちに走っていくような?

うんうん。もう、救いのない悪(ワル)。

お梅との祝言の時みたいな悪の魅力の人でもよかった?

そう。(最初から)そういう匂いがあったのかもしれないんだけどね。

喜兵衛と会った時から悪い人、悪の魅力全開?

まあねえ、そればっかりだと悪に変わったところが出なくなっちゃうしね。 でも今回ね「ちゃんと伊右衛門とお岩のお話になってるよね」って(木原※に)言われたのが嬉しかったな。
                           そのために、何にもしないというのは非常に大事なことだと思ったのね。
だからみんな(役者)もそれをわかってくれて、なんかそれが見えてこないと「こうした方がいんじゃない?」とか、言ってもらえたりして。

※木原実氏。日テレのお天気おにいさん。花組芝居創立より参加、のち退団。現在はテレビ等でご活躍中です。

かっこいい伊右衛門で嬉しかったですよ。何より加納さんと並んでバランスがいい。「ああもうこれを観る事が出来て嬉しいぞーっ!」って気分でしたね。

ああ、そう言ってもらえると嬉しいですね。やった甲斐がありますよ。

二人の釣り合いがいいんですよ、観てて安心する。空気が似合ってるというか。

(俺と加納が)一緒にやってきた年数があるし、加納が安心してくれてるってとこがあるのかな。
ああ、俺もそうなれたのかなって思いますけど(嬉)。

あの着流しの刺繍は素敵でしたね。

あれは小屋に入ってから出来上がったの。仕上がり途中を見たんだけど、なんかメトロ地図みたいだったんだよ。

ちゃんと蝙蝠の紋がはいってましたね。

加納が考えてくれたの。

あの衣装で格好よく出てきた瞬間ああ悪い人なのねってわかる。ああ、善人じゃないんだ、いい人じゃないんだあって。

記号だからね。まあ、だから記号に頼らずに出来たらなって思ったけどね。

現行上演台本と販売台本の大詰めは違ってますが、どの時点で変更になったんですか?

それはもう、最初からです。
最後にお岩が連れて行くってとこで切れてるけど伊右衛門の生身の体(死体)はそこにあるままだし、あとは好きに感じてもらえばいいんじゃないの?

あの死んでる場面のときは目をつむっているんですか?

開いてます、ずっと。
目をつむって稽古してるときに、加納が一度ばぁーんって勢い良く乗ってきたことがあって。
ああ、もう終ったぁって無防備になってるじゃない。そこにやつがばーんって乗って来て「うおぅえぇいぇっっ」(と、もがいてみせる水下氏)って(笑)。だからもう、いたずらされないように。

(大爆笑)

でもねえ綺麗なんですよ。雪が「ああ綺麗だなあ」って。雪を見て、目をつむろうとか開いてるとか考えないで、「ああ、綺麗なんだなー」ってただ目が開いてるだけ。 それに暗転も判るしね。

大詰めは伊右衛門以外はお岩さん達が全部無表情で、表情(かお)があるのは一人だけでそこに感情が集約されて、生々しさのあるのが彼だけですよね。

難しかったね。生(なま)にならないけど生(なま)な感じっていうか。リアルじゃないんだけどリアルな部分。どこにリアルがあってお芝居をしてるのかってことが判っちゃうのはダメなんだよ。お芝居で世話(歌舞伎で言う世話物)なんだけど芝居の上にあるリアルが出せたらいいなって思ったのね。
お芝居してないといけないんだけど。

あそこの伊右衛門は生き延びようって思ってるんですか?(伊右衛門は)わりと生(せい)に対する執着が薄いですよね?

最後の瞬間だけは生きてやるぞって思ってるんだと思うのね。
俺の中では絶対生きてやるってつもりでもがいてるって感じかなあ。

あの世界で現実を正面受け止めてるのは伊右衛門だけのような気がしたんですよ。あき お家潰れちゃったからしょうがないから商売する。商売の種類は問わず、生きるためには稼がないと。だから仕官の口があるなら敵方でも仕事は仕事って受け入れる。お岩さんの顔が崩れても正面向き合って見合わせてる。
他の人は討ち入りをするんだーとかある意味浮世離れっていうか現実問題討ち入りしたいと言っても お前は病人だろうとか金の工面が出来てないだろうとか、その辺の解決なんも考えてないじゃないかという感じの人ばかりですよね。

うーん。現実を見てない人って言うか、現実に飲みこまれちゃって、見えなくなってるのかもしれないな。
伊右衛門が正面向いてるとか受け入れてるって言うより、お金欲しいなーって思ってるのに家は潰れちゃうし、商売すると邪魔されちゃうし、「なんなんだよっ」て感じかな。 商売してても「面白くねーなー」ってね。商売なんかどうでもいいんだよ。売れなくてもいいんだよ。めんどくさいんだもん。家にいるのが嫌だなーってとこがあるし。でも、世の中にいたいんじゃないのかな。

台詞は言い辛かったですか?最近現代語みたいな調子のものが続きましたよね。

いや、全然。やりづらいなあってことはないかなあ。
年数重ねて南北なりなんなりの語調に慣れてきてるから。言い辛い部分はあるんだけど、大変ってことはないかなあ。長いの少なかったし。

今回の芝居は意外と遊びの部分が少ないなーって感じたんですけど、三日目あたりから「怒髪天」って伊右衛門の髪を利用してちょっとギャグ入ってましたね。あれは打ち合わせたんですか?いきなり原川さんが髪をもってちゃったんですか?

いや「怒髪天」でなんかないかなーって言うから、じゃ、俺の髪の毛を使えば?って言って。
あそこは、その場を収めるためになんかやってくれって演出から言われて入れたの。

やどかりも?

あれは原川がやって、稽古で。あそこは「やりましょう」って残ったの。

社会の窓とか。

あれはね、酔っ払ってるから歌ったの。
あれ小学校のときの朝の歌。国語の先生が作った歌だったの。それの替え歌で、校舎の窓をってのを社会の窓をって歌ってたの。好きだったんだよ、朝の歌。

フィナーレもすごかったですねえ。あれだけでも観る価値はあったな。衣装見てるだけでも楽しかったし。

衣装さんが今回も頑張ってくれててね。

今回の振り付けはどなたが?

加納ですよ。

衣装は?

尾崎。今までチーフでやってくれてる人が、他のお仕事で担当できなかったんで。 直下でやってた人なんですけど。二時間くらいで17着の絵(スケッチ)を描いてくれました。

二時間で17着!すごいですねー。 今回の衣装、伊藤家チームやお熊さん他、「どこかで見たよなぁ」ってのが個人的に感じられて、それが薔薇西遊譚だったり身毒丸だったり「あの舞台で見たっけ」なんて思うと、衣装の面でも10年分のいろいろが詰まった舞台だったんだなあって思いました。

そうかもしれないね。

あの鬘すごかったですね。ロック歌手みたいな。時代物なのにみんな普通に結い上げてない。

普通じゃない頭ってのがいいよね。あれ鬘と思わなくて、俺の頭が地毛だと思った人もいたよ。

あらまあ。メイクは、毎日こうしようああしようって変えてたんですか?

基本は変わってないよ。あ、失敗しちゃったとか左右のバランスが違うぞっと、とか。こっちが大きくなっちゃったな・・まぁいいや、なんてね。

ところで小平を殺すシーンですが、(小平から)目を離さなかったですね。

どうやるのが一番残酷かって話をしてて。たまたま殺しちゃうってより、確信犯的な感じだよね。殺しちおゃうって最初からもう思ってる。

冷たい場面ですよね。

あそこでかけらでも良心が見えてたらだめじゃん。

客席中が息をつめて観入ってる、緊張感漂う場面って(花組芝居にしては)珍しかったですね。

伊右衛門によって小平が殺されて、伊右衛門の冷たさの故にお岩の悲しみや恨み、かわいさが立って来るって感じなのかな。加納の技量があるから「鏡が三枚〜」って(面白いことを)やっても逆に怖さがしみるっていうか。

伊右衛門が殺し終わって去っていくとこが冷たくていいなあと。
振り向きもせずに一歩、二歩。ゆっくり歩いて、三歩目からすーっと立ち去って行くところがっ。

あそこは(花道の)七三の気持ち。
面白いよね。人を殺す役は。今回はめずらしく暴力が多い芝居だったかな

(ご自分では)どこの場面が好きですか?

 ふふふ。
俺がお稽古で好きだったのはね、桂(小玉田)の「討ち入り連れて行って連れて行ってー」って泣くとこが切なくて好きだったな。

討ち入りの話をして有頂天になったあとに急転直下どん底。 無邪気な小玉田様が狂って踊りながら舞台を横切っていくのが、コミカルな動きのはずなのに妙に怖かったです。あと由良さんが小玉田様をもて遊ぶところ。

(小玉田は)壊れちゃってるからね。基本的に救いのない話だからね、四谷は。

話飛びますが。四谷って海外に持っていけそうですね。暴力場面とかは大丈夫なのかしら?

全然大丈夫でしょ。

どの辺りに行きたいんですか

やっぱりヨーロッパでしょ。

ヨーロッパのどの辺り?

フランスっ。
フランス、ロンドン、ドイツ・・ずーっと降りて行って、あわないだろうけどイタリア。スペインはいけるかな?イタリアの北で終わって南に遊びに行く。

遊びに行くのかい。

フランスは日本人を受け入れるというか、変なもんが好きじゃん。
イギリスは話がしっかりしてないとダメみたいだけど四谷は話がしっかり出来てるからね。

 まず、オープニングから日本的な色の配色で迫って来ますよね。 日本人の血の中に染みこんでる色彩で。

そうですね。いろんな人が海外に行って、歌舞伎の要素のある芝居をしているけども、外国の話の中に歌舞伎を取り入れてるものだったりするじゃない。これ(四谷)は歌舞伎味もあるし。芝居な部分もあるし。もともとが日本のお話だからね。面白いんじゃないかなーと思うんだけど。

鉄塔の話も少しお願いします。
文学座の公演と時期的に近いんですよね。観にいかれるのですか?

俺は観ないの。観に行きたいんだけど、観てしまうとなんか同じところがあったとしたら、自分がやりたかったことなのに真似たって言われるの嫌じゃん。
影響受けてもいいんだけどね。観たからだから真似したって言われるのは嫌なのよ。先にやられちゃったりしたのを観ちゃったら嫌じゃん。
まあ、半年とか前だったら観に行ってどんどん良いとこもらっちゃってもいいんだけど。役者がちがうから同じになりようが無いんだけど。
それこそ「やりたかったのはこれでしょ?」って見せつけるくらいの気持ちでさ。「仇討」と同じで、本(台本)が良くて役者が揃ってる。これでコケたら俺(演出家)の責任。

胃は痛くなる?

いや。すごい貪欲になる。もっともっと出来るって。もう、役者揃ってるしね。

チラシ素敵ですね。

いいでしょー。でも、最初は写真でなくて、絵にしようって思ってたの。鉄塔の絵をメインに持ってきて。って、話してるうちに二つ折りはおもしろいねってなって。ちょうど花組の封筒に入る大きさなんだよ。

イラストもデザイナーさんが書いてくれて人物の横の台詞も本の中の台詞なんだけど、人物に合わせて考えて抜き取ってくれて。
写真もいいでしょ?イラストの白がうっすらと空に溶け込む雲みたいでいいでしょ?
カンボジアの頃のPKOのころの話なのかな?ある意味タイムリー過ぎてちょっとやるのを悩んだけども。

この中のね、「遠い存在でいたいんだよ」って台詞が好きで。
熱帯の話なのね。強い日差しの中に浮かびあがる影のように言葉のやり取りがお客さんに届いたらいいなあ。
普通の会話なんだけど、なんか言葉が地面に影みたいに映ったらいいなあって。うーん、普通にしゃべってるんだけど、台詞が、言葉が見えてくるってのかな?なんか言葉が行きかっているのが見えるって言うのかな。
嫌なものに見えたり、懐かしいものに見えてきたりとか。最後は切なくなってしまうのかもしれないけどね。
熱帯の暑い日ざしの下のお話なんで、その熱帯感を出したいよね。赤道直下に近い、うわっまぶしーって感じの。もう影が濃いーっとこの暑さ。熱感。
「あ−っ」ていうと、言葉が地面に映っちゃうくらい濃いいっ日差しの中の話。
日本に居ることを感じちゃうと、その「あっつい感」が薄れちゃうからどうしようかなーって。 でも、ぬるいんだよね。(一気にしゃべる演出水下氏)

花オフ第一回目。責任重大ですね。

ハナオフ、三回は続けないとね。一回だけじゃね・・・。続けたいなっ。

これがおわったら和宮ですね。

(にっこり)演出もあるの。

和宮と平行で?

そ。

おおおおおおっ。

「仇討」でご一緒した中尾さんと関さんの二人芝居の演出をさせて頂くことになりました。

おおおおおっ。中尾さんと関さんかーっ。期待大っ。

お芝居。

ショウではなくてお芝居?

お芝居。中尾さんがずーっと若い時にやった芝居で。書いたのは青井陽治さん。まあ、書き換えてももいいですよって言ってもらってはいるんですが。
この面白い作品の「面白さ」の部分に、若い頃から続けてる役者の側の年齢を重ねてる部分をはめ込めたらいいなーって考えて、(演出をするのが)楽しみなのよ。

そんなにいろいろ立て続けで、私たちのお財布を殺す気かーい。いや、働く楽しみが出来るか。がんばって働きますよ!

ふふふ。財布、厚み残しておいてね。あのね?・・・・、、。

何々なに。(野望が多くて)忙しくて遊んでる暇ないですねえ。

いやいや、ちゃんと遊びますよ。遊ばないとね。

鉄塔の宣伝をたくさんさせていただきます。遊べなくなるくらいにっ。

よろしくね。

本日はお忙しいところ有難うございました。

有難うございました。

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