ひまひまに、殴り書き牡丹燈籠。
その6.
きまぐれ読書案内。
とりあえず、読んでみるべ?
公式でも牡丹燈籠の解説はじまったことだしなー。
その1 怪談 牡丹燈籠 の圓朝の高座をそのまま、文字にお越し直したもの。何種類か出ておりますです。
岩波文庫 緑 3-1 怪談 牡丹燈籠 三遊亭圓朝 作
ISBN4−00−310031−X CO193
定価350(税抜)
原作です。
岩波からでている、この版の場合は、牡丹燈籠一作のみの収録ですが、出版社によっては、
同じく速記本で、「怪談乳房榎」の二作を収録しているものもあります。
(「怪談怪談乳房榎」だけの収録もあるようです。)
旧かなづかひなので、少々よみづろうござひますが、なれますうちに引き込まれてまいります。
なにより、高座のいいくち、をそのまま文字におこしておりますので、言い回しなどがおもしろふござひます。
しかしまあ、圓朝ともうしましてもね。どんな抑揚で話をしていたのかはトンと見当がつきません。
なので、お好みの役者衆を圓朝になぞらえてお読みになると、意外とするすると進むやもしれません。
本になっているのは、文字なんですが。
えーと。わたくしずーっとこれ、口述筆記本だと思ってたんですね。
違うんです。
いわゆる「速記法」という手法でもって、聞き書きして、それを文字に解読しなおす。
という手法で、文字になっているんです。
現代の速記とは、少々字体や、約束が違うようですが、明治のはじめ、新しい手法によって、文字になった落語。
その2春陽文庫 A−80−8 怪奇・伝奇 時代小説選集(9) 怪談牡丹燈籠 他四篇 志村有弘編
ISBN4−394−18008−2 CO193
定価562(税抜)
圓朝の牡丹燈籠をもとに、書き上げた「牡丹燈籠」のバリエーションセレクトと言った感じ。
収録作品は以下。
怪異談牡丹燈籠 竹山文夫
怪談牡丹燈籠 大西信行
牡丹燈籠 長田秀雄
人形劇牡丹燈籠 川尻泰司
牡丹燈記 岡本綺堂
岡本綺堂の「牡丹燈記」は中国の元の話に近いです。
牡丹燈籠の発端は、もともと中国の古い話にある、怪異譚です。これが幾人かの手を経て、今の牡丹燈籠が出来上がります。
一冊丸ごと牡丹燈籠。
大西信行版の牡丹燈籠は、えーと、ひのふのみの四組くらい、の男女が色恋たくらみに翻弄されておりますが。
大詰め、落語では姦婦のお国ですが、この脚本でのお国の最後の台詞は判るっって思う。すっごい切ない叫びなのよ。
歌舞伎座や、南座で上演されたときの台本はこの大西本のようです。
これだけ、牡丹燈籠が収録されているのに、敵討ちの話はまったくでてこないのでございます。
その3ちくま文庫 妖怪・妖精譚 小泉八雲コレクション 池田雅之編訳
ISBN4ー480−03992−9
定価1300(税抜)
ほぼ同内容で講談社学術文庫からも小泉八雲短編集が出版されています。
値段もほぼ同じくらい。
学術文庫版では、改訂稿の記載があったと思います。文章が推敲されて世にでる課程が判る、かな。
小泉八雲の集めた怪談短編が収録されているのですが、中に「宿世の恋」という題名で、牡丹燈籠が入っています。
学術文庫では、冒頭に、人から最近落語で人気の話があるから英訳にしてみてはどうかと進められたという、断り書きがあります。
(ちくま文庫にはありません。)
今現在、牡丹燈籠といえば、お露新三郎の話ですが。
もしかして、それは、この小泉八雲編なのかもしれないなーと、思うのは、二人の死で話が終わっているからです。
でも、原作は圓朝って言われちゃうのね。
夏目漱石と教職員の座を争ったり。。なんか、苦労してるなあ。
牡丹燈籠以外にも沢山、短い話が入ってますので、息抜きにはいいかも?
あ、振袖火事の話も入ってますよ。「振袖伝説」。という題名でした。
その4ポプラ社 ホラーセレクション 1 牡丹灯籠 赤木かん子編
ISBN4ー591−09072−8
定価1000(税抜)
一番、、、お勧めだったりする。
これからどの牡丹燈籠を読めばいいんでしょ?って言うひとには、
この本で、どんな本があるかを知ってからがいいんでないか?
なにより、全部漢字にルビがふってあるんだな。実に読みやすいぞ。
四谷怪談と、カサネもちょろっと載ってます。
セレクション 1 ってことはこの後、怪談話を取り上げた巻があるのよ。
なかなか面白いチョイスなので、お勧めでございますよ。
その5学研M文庫 真牡丹燈籠 遠藤明範
ISBN4ー05−9000065−5
定価560(税抜)
アニメの脚本を書かれている方なのだそうです。初の時代劇文庫用書下ろし作品となるそうです。
いやー。。。新鮮。なにより、萩原さま死なない牡丹燈籠初めて読んじゃったべ。
でもちゃんと牡丹燈籠。
面白いなーとおもうのは、あまりに都合よく、実はこれこれはこれこれ。みたいに
登場人物のつながりが、できあがっているのだが、これがご都合主義に感じない。
因果とやら、因縁とやらが縁取ると、都合よすぎる偶然の一致も意外と
すんなり、なるほどね。って思わされちゃうものなんでありました。
仇討の話も絡んでくるので、原作の牡丹燈籠に忠実なのかなー?
若き日の圓朝を襲名したばかりの17歳の圓朝がでてくるのだけれど。似てる。
ものすごーく芸馬鹿な誰かに似ている。。。。これでもうちょいと毒がありゃそっくりだ。
と思うんですけど。問題は、この話でてくる圓朝が、毒ッ気がないのよ。うーん。
圓朝の役は加納さん以外あるまいて。
その6ちくま文庫 山田風太郎 明治小説全集 1 警視庁草紙 上
ISBN4ー480−03341−6
定価900(税抜)
全14巻 の予定で刊行されています。現時点で全巻刊行済みかどうかは調べてません。
江戸が明治になって、警視総監という明治を代表する新進の仕事に生きる男と、
江戸が明治になって、元南町奉行だった男との知恵の比べあい。
。。あまさか、元御奉行様が犯罪者になるのではなく、犯人を見つける競争というか。
その、おちは、ないんでないの?ってーところは少々あるものの。
明治の香りと江戸の残り香のある読み物シリーズ。
つーても、一巻しかよんでないのだが。
このシリーズの開口一番が、『明治牡丹燈籠』という話。
牡丹燈籠にひっかけて、お話が展開するのだけど。
一番最初の話は、この後、展開する、第二話、第三話にも影響を及ぼしていたり、
「ああ。そういえば」と思わせたり。
一話完結なんだけど、物語は人生と同じで、一つの物語が終わっても、それが
どこかの誰かの物語につながってるっていう感じかな?
牡丹燈籠には無関係なんだけど、清水の次郎長の子分だった男が出てくる話がある。
居残り佐平次にもでてきた、小政でございます。うう。なけちゃったよ。
ところどころに、明治の有名人。
夏目漱石とか、樋口一葉とか。小山内薫のお父さんが陸軍軍医として実名で登場したりする。
板垣退助の若い頃とかね。
一瞬、小説じゃなくて、小説っぽいドキュメンタリーみたいで、なかなか楽しいです。
牡丹燈籠ばっかりで飽きちゃったあなたにはお勧めでございます。
その7講談社 円朝芝居噺 夫婦幽霊 辻原登
ISBN978ー4−06−0334213805−5
定価1700円(税抜)
うーん。。。
小説なのか、ドキュメンタリーなのか。みたいな?
圓朝の未発表の落語が、発見された、しかも速記記録という形で。
というのがこの小説の発端でございます。
さて。
この速記記録が本当に圓朝の未発表落語なのか?
という謎とともに、
速記記録にはどんな話が記録されているのか?
という謎解きで話が進みます。
というのが、現代使われてる速記というのは、何度か改正されており、
現代速記が使える人でも、草創期の速記はほとんど読みこなせないそうです。
まあ。ふつーの文章だって、平安朝の文は、現代語訳で読むわけだから。
ということで、
速記記録に書かれている内容は何なのか?
この記録は誰がこしらえたのか?
本当に圓朝の落語なのか?
とかとかとか。
そして、この速記記録に絡んで、もしかしたら、天才小説家と謳われ夭折した作家と。
圓朝の血縁者が関係しているのではないか?
謎解きなんだか、落語なんだか、良くわからない話。
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